制作と生活

「小春日和」というのはこんな日です、って言うような日。

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晴れているだけじゃなくて温かい。

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昼には1枚脱ぐほど。

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飛行機雲がくっきりと残る空。

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昨日から磨き始めていたEKUBOシリーズの新作、磨き始めはこんなだったのが

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こうなりました。花を入れてみた。

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ツヤ磨きだと写真にうまく写らないけど側面にもエクボをひとつ入れてみた。

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今、僕の仕事場は国道の水道管工事のための拠点になっていて、工事資材が置かれ多くの車が駐車し、作業に関係した人たちの出入りがたくさん。工事は片側通行にして行われているから、車を誘導する旗振りの方も。

磨き終わったEKUBOの仕上げに細かなミスがないか、石のテーブルに置いて細かく確認していたら、工事で車の旗振りをしている方が制服で近寄ってきた。「あの、石を彫っているんですよね。・・・・・・僕も石を彫っているんです」
びっくり。石を彫っている、というのを聞いただけで「同胞」に対してかなり心がオープンになってしまう。なんて大変なことをしているのか、と思う。肉体的なことだけじゃなくて「石を彫る」事で食べていくことがどれだけ大変か、石を彫っている多くの人が共有する現実。石彫りが集まると「一体全体、どうやって食べてます?」って話題になるのが常(苦笑)。僕だって石彫りだけではとても食べられない。好きなことを仕事にできて良いですね、と言われるけれど、制作で生活できる人はほんの一握り。これは愚痴ではないけど。強制されてやっているのではなく、自分からやっているのに文句言え無い。
思わず「大変だねぇ。石彫るのやめたら、もっと普通の生活ができるのにね」と言うと「そうですよね」って。でも仕方がないのだ、僕らは病におかされているんだから。きっと雨の日も風の日も、一日一生懸命、交通整理の旗を振ったって、稼げる金額はそれほど多くはないだろう。
連絡先を交換して思わず「がんばろうね」と言う。それは、もう、ほとんど自分に言っている。

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木曜日から始まるグループ展で一緒になる友だちの布の展示のアクセントに作った石たち。そのグループ展のためのリスト作りや写真撮影などで、午後は家仕事。夕方、先週の土曜日に終わった、3人展の搬出に行ったらイチローさんや哲郎さんにも会えて3人集合。しばしお喋りして帰る。