環フォントでロゴデザイン

160724411607060930数年ぶりに(まだネットでだけだけど)再会した、同じ美術研究所で美術系の大学受験を目指していた友だちと先日、時空を超えて初めてコラボレーションした。とても嬉しかった。
→友だちがエントリーしてくれたブログ

160521iだけど、話はまだ終わらない。
先月の東京個展のために作った石に個展タイトルを彫ったストーンプレートをとても気に入ってくれて、自分で作るアクセサリーを会社という形で販売していきたいから、その会社のロゴを「環(たまき)フォント」(僕の手書きの字が一部でこう呼ばれている)でデザインして欲しい、という依頼。
僕の字は、飲み屋のメニューみたいと言われたりするので絶対やめた方が良いといったんだけど、それでも依頼してくれたので、喜んで(そして少しの緊張で)やらせてもらうことにした。

それから左の写真みたいに石にも彫って欲しいと。それはとても嬉しい。今伊達冠石の泥を残して黒く磨き上げたところに文字を彫って金色に塗ってラメを施すのがマイブーム。彫る字だって自分の好きなお店の名前とか、好きな人の名前とか”Love and Peace“とか、できれば彫っていて楽しい字を彫りたい。

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まず石を用意した。良い感じに泥が残って、劇的な模様も浮かび上がって字を彫るには良い。

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ちなみにこの石、最初はこんな形だった。磨き終わってよく点検してみると左の上の方に微細なヒビを見つけた。ただ置くだけだったら全く問題がないから、このままにしておこうかと思ったけど、やっぱり気になって叩いて割り取った。

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そしたらこんな形に。僕にはハートが寝てるみたいな印象で割る前よりずっと良くなった思う。こういう自分の力だけじゃなくて神様からの「割れ」のプレゼントが入るとき、伊達冠石は良い作品になることが多い。一輪挿しでも。

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夜はひたすらいろんなデザインを書いてみた。基本僕のやり方はいつもこう。彫刻の時も。たくさんのアイデアスケッチをスケッチブックやそこらにある紙にどんどん描く。手を動かさないとアイデアが浮かばない。それも紙と鉛筆、紙とペンじゃないとダメ。今のデジタルネイティブはアイデアスケッチすらPCという若者すら多いという。考えられない。思いつきをすぐに書き留めるのは紙と鉛筆。

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最初に提案した数案の中には、環フォントやめたほうがいいよ、ってこんなオーソドックスな案も出してました。あ、これ実際に石に彫って着色してるように見えるかもしれませんが、実際に使う本物の石の写真と文字をPhotoshopで合成したものです。実際のプレゼン案。

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そしていろんなやり取りがあって、studioは既成のフォントで、freeを環フォントでっていう提案をうけて最終的に決まったのがこれ。これも実際に提出したプレゼン案でまだ彫ってません、合成写真です。

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これが決定案。
studioは既成のフォントで、freeを環フォントで、っていうアイデアを出してくれたのがとても良かったと思う。
eeの横が伸びているのはこれが無いとどうしても収まりが悪かったのと、スパイラルのイメージ、自由な感じを加えたかった。

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決定案を石にトレースして彫刻。
初めて石彫りで眼鏡使った。細かいシンボルマークを裸眼で彫るのが難しくて・泣

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マスキングして、

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ゴールドで数回塗り重ねて着色。

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free の部分にだけ金ラメを撒いた。

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先日、実際に石に彫って着色。仕事場の作品が完成したらすぐに記念写真をとる石の台において撮ったのがこれ。
幸せで楽しい仕事を依頼してくれてありがとう!

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ストーンプレートのアップ。下にあるのはシンボルマーク。力こぶを見せて笑ってるみたいな、輪がどんどんつながっていくようなこのマークに、友だちの「氏家理爲」さんの名前 Rii を隠し入れてあります。いろんな思いがたくされて辛かった名前とも改めて向き合ってやっていく、新しい会社も立ち上げる、という彼女へのエールを込めて。

ロゴマークをデザインして石に彫ったけど、実はこの話はまだ終わりでは無いのです。物語はまだ続いています。もう少ししたらこの話の続きもエントリーすることが出来るでしょう。