大蔵山ワークキャンプの現場

昼食後、仕事を一時中断して、仕事場から15分くらいの大蔵山へ。

15090520

僕が一輪挿しクラフトを作るのに使わせてもらっている伊達冠石を産出している隣町の山。磨くと黒光りする玉石のまわりが泥のようなもので覆われている、個性的で魅力的な石。世界でここだけでしか産出しない。

15090515

その山から石を採掘したり管理している、大蔵山スタジオ。石を採った後の山を緑化し産出する石で石舞台や建築物など魅力的なものを長い時間かけて整備してきている。今、海外からも作家を集め6人の共同作業で石の建築物「山堂」へのアプローチとロータリーを兼ねた駐車スペースのシンボルになるモニュメントを制作している。

15090516

1週間前に、このイベントのトークショーがあって久しぶりに再会した彫刻家の菅野さんに「一度、見に行くから」と約束していた。自分も個展の仕事が長雨で押し気味。だけど雨の採石場のひどさを知っているので晴れた日に行こうと決めていた。自分の石磨きの予定を考えるためにiPhoneで見た天気予報が今日以外全部雨。「あ、今日行かなきゃ」と思い出して来た。数日、雨が止んだおかげで地盤はぬかるんではいなかった。でも、重く、きつく、汚れて、危険な作業。菅野さんの案内で見せてもらう。

15090518

あの雨の中でここまでの仕事をしていたのかた想像すると頭が下がる。っていうか、連日の雨の中の現場は危険と隣り合わせだったはず。でも積み上げられた円錐形の伊達冠石の形は、まだ完成途中だけど力強くて風景に対峙している。この上に重力に反するような形が、最後に積まれる予定なんだそうだ。

15090519

晴れに変わることを僕も願ってます。誰も怪我のありませんように。土曜日が最終日。東京に行く用事があって月輪まり子さんのアイリッシュハープの演奏もあるクロージングパーティーには参加できないのがとても残念。

15090517

石積みの壁を持つ山堂では、参加作家の作品展も開催されている。作品も空間も、なんてぜいたくな。ずいぶん長い時間、この空間を独り占めさせてもらって見ていた。

15090521

帰りに、「現代のイワクラ」を見せてもらう。山から出た巨石を売ってしまうのではなく、山に大切に置くというもの。

15090522

これだけ大きな石を目の前にすると命の長さが圧倒的に違うからか「神様」を感じる。心に少し波が立つ。手を合わせて帰る。
大震災直前に行った時の様子はこちら。冬の景色も心にくるものがある)

15090523

完成した「風景」を見に行くのが楽しみです。

このページ、求人サイトみたいだけど大蔵山スタジオのことがわかりやすくまとめられていて面白い。
日本仕事百科 石と生きる