えべつ脱原発芸術祭 2016

2012年から毎年、出品させていただいている「えべつ脱原発芸術祭」。今月3月1日〜31日まで、北海道江別市で開催されています。友だちの眞流さんが写真を送ってくれました。今年は北海道内外から52名の作品が集まったそうです。

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僕の心に一番響いた作品。モリのおばばさん(81歳!)の型染めによる藍染めの組作品。鹿と熊とオオカミの藍染めが、木で作った丸い枠と一体になった作品。本物を見てみたい。

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眞流さんの影絵の作品。版画も作り、切り絵も作り、読み聞かせや、今では伴侶のしろさんと舞台発表もされている。この影絵も「えべつ脱原発芸術祭」のクロージングパーティーの舞台で大きなスクリーンに映されるそうです。

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もりの祈り(影絵)/いしだ眞流
脱原発へのメッセージ:生きてゆくうえで本当に必要なものはなんだろう。
暮らしを本当に豊かにするものはなんだろう。
それらを自分自身で考える時がきました。

僕は、この字にも心打たれる。

16031621※クリックで拡大

あいにかえる/shiro
脱原発へのメッセージ:「原発は生命の健全な暮らしにとって脅威である」ということはもはやグローバルスタンダードになりました。これからは放射線だけじゃなく、欲と恐れの生産物に痛められた生命の回復の時代です。変容の時代です。そして、それらは自らの内面から起こるでしょう。内側を探求すること無しに、変化は起こらないでしょう。

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僕の小さな石の作品の両隣は、福島から避難して北海道で暮らしている方の作品だそうです。光栄。
この国のリーダーは、本来暮らすはずだった土地から、遠く離れて暮らさざるを得なくなっている人が、たくさんいる事を知らないだろうけど。知っていても軽く考えているだろうけど。それよりオリンピックの方が大事なんだろうけど。

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これまでは「No Nukes」という文字が入った写真や、原発によって分断されたこの国の状況を「形」に託した作品を出品してきたけど、今回はどんな形に託そうかとずっと考えているうちにメッセージはそのままメッセージで伝えてしまおうと思って石に字を彫ってみた。石にただ字を彫っただけで作品として成立するのかとも思ったけど、実際に作ってみたらこれでいい、と思えたのでこの小さな石を今年は出品させてもらいました。そしてこれまでと一番違っていたのは、ずっと”No Nukes No War” とか原発いらない、とかという何かに抗うような直接的な思いだったけど、そこから少し離れた気持ちを込めた。

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眞流さんから、こんなメールをいただいた。

今年はなにか雰囲気が変わったような気がします。
5年目、第6回目にしてはじめて自主避難者さんが自発的に出品してくださったり。
なにか前向きな迫力を感じています。
そう、なんだかんだと5年考えて
やっぱり本当に大切なことってラブ&ピース以外にないと
たまきさんの作品を拝見して合点がいきました。
それぞれに違いはあれど、多かれ少なかれ
皆さんそれを感じているなーって思いました。

そんなみんなの気持ちやムードに、僕も呼応出来たことが嬉しい。5年経って余裕が出来たんじゃない。今の政権がやっている事を見ればむしろ状況は年々悪化している。だけど、これからに向けて新たに希望を捨てずにエンジンをかけ直した、そんな気持ち。

直接の被害を受けた東北でさえ、放射能の事はまるで無かったかのよう。もしくは無かった事にしたいようだ。そんな中、北海道で未だにこのような芸術祭が開催されていることに敬意を表します。そしてそこに参加できていることを嬉しく思います。

眞流さん、shiroさん、えべつ脱原発芸術祭に関係する皆さまに、敬意と感謝を。

もう20年近く交流があるのに未だ会ったことのない眞流さん、そしてshiroさん。いつか必要になって時が満ちた時に会える事はわかっているけれど、その日が待ち遠しいと、いつも階段を上り下りするする度に思っています。

facebookイベントページ:第六回☆えべつ脱原発芸術祭2016

※このエントリーの写真は掲載の許可を得ています